2022年6月19日日曜日

加藤小夏 『君たちはまだ長いトンネルの中』主演

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Yoda#経世済民
⁦‪@JediOrder634‬⁩
クラウドファンディングのお礼が来たどー!! pic.twitter.com/wp7bVYvSDq
 
2022/06/23 13:47
 
 

https://twitter.com/jediorder634/status/1539832501329608704?s=21





デフレ下のサバイバルを体現した、愛すべき、今見るべき映画。


https://movies.yahoo.co.jp/movie/382616/review/d068a9a0-6776-4fa8-9f42-53a6574a743c/


内容はデフレを糾弾した映画だが、低予算、短期間撮影等々、デフレを生きぬく知恵を体現したような映画だ。

主人公の透明感が原作漫画と違う。原作では主人公はパワフルだが映画では役者のせいで儚い美しさを放っている。

何よりもそこが成功している。

考えられる限り最低の予算で撮られているが、配役から主題歌等細部まで作者の目が行き届いているのは製作者委員会方式にはあり得ない心地よさがある。

内容に関して言えば、橋本龍太郎の総裁選における緊縮財政に関する懺悔等よく勉強している。

さらに欲を言えば、税がなぜ必要かの説明に名刺マネーを使えばよかったと思う。


[<字幕版>概論、MMT(現代貨幣理論)+三橋・高家の感想戦

https://youtu.be/tdODDuBL1VY?t=4m 


モズラーの名刺(リメイク)【魔理沙と霊夢のゆっくり経済教室】

https://youtu.be/S6OvAkRfazo?t=34s ]


基本的に20年以上続くデフレを糾弾した映画なのでコストプッシュ型とデマンドプル型のインフレの違いの指摘はない。

国士舘大学近くの町田市鶴川セントラル商店街でロケをしたようだ。

教室でなぜか主人公が立川談志『談志楽屋噺』を読んでいる。

 

《私しゃ座り直して、「どうも騒がしちゃってすいません。 初めまして」》文春文庫78


絶妙な引用とも思えてきた。

愛すべき、かつ今見るべき映画。



第73回 ウオーレン・モズラー氏の名刺 | 医療法人社団 恵み野内科循環器クリニック|恵庭市恵み野の内科
https://megumino-clinic.com/2675.html

第73回 ウオーレン・モズラー氏の名刺

財政は税金で賄われているのではない

今でこそ、MMTを唱える中心人物の一人であるニューヨーク州立大学のステファニー・ケルトン先生は、大学院生の途中まで、政府支出は税金と借金(国債)で賄われているものと考えていたそうです。

すなわち、財政は税で賄われており、足りない部分は、国債で補填すると言うことです。

このような見方は、依然として根強く、国家財政を家計や企業と同じように捉える方が直感的でわかりやすいからです。

しかし、以前のブログで何度も述べているように、これは間違いです。

国民が税金を納めるためには、まず、国が支出(通貨を提供)しなければならないことは明白だからです。

モズラー氏との出会い

ケルトン先生は、博士課程の半ば頃に「ソフトカレンシー・エコノミクス」という本に出会いました。それは経済学者ではなく、ウール街で成功した投資家であるウーレン・モズラー氏によるものでした。

そこには、政府はまず支出し、それから課税や借入(国債発行)をするのだと書かれてあり、ケルトン先生の理解を根本的に覆すものでした。

ケルトン先生は、1998年、その真実を確かめるべく、フロリダ州のモズラー邸を訪ね、何時間も話を聞いたそうです。

モズラー氏が述べた要旨は以下の通りでした。

1.政府がドルの唯一の供給源であるのに、国民からドルを提供してもらう必要があると考えるのはばかげている。ドルの発行者は当然、望むだけのドルをいつでも手に入れられる。

2.税金の目的は資金を調達することではない。政府は税金、手数料、罰金など様々な負担を国民に課し、通貨への需要を生み出す。

3.国民が税金を払うには、それに先立って通貨を稼ぐ必要がある。

4.その結果、政府は国民を働かせ、政府が必要とするものを生産させることになる(例えば、軍隊、司法制度、公共の公園、病院、道路、橋など)。

モズラー氏は、さらに、以下のように例を挙げてわかりやすく説明してくれたそうです。

ウオーレン・モズラー氏の名刺

モズラー氏は、海辺にプール付きの豪邸を構え、二人の子供と暮らしておりました。

ある時、家を清潔で心地よく暮らせる状態に保つため、子供たちに協力を求めました。

庭の芝を刈り、ベッドを整え、食器を洗い、車を洗うなどの手伝いをして欲しい。

報酬としてパパの名刺をあげよう。

皿を洗ったら5枚、洗車は10枚、庭仕事は25枚というように。

しかし、何も価値のない名刺を貰うために、子供たちが家の仕事をするわけがありません。

この時、モズラー氏ははたと気づきました。

子供たちがいっさい手伝いをしないのは、名刺を必要としないからだ。

そこで、モズラー氏は子供たちに、君たちに手伝いは一切求めない。

ただ、毎月30枚の名刺を払って欲しい。

それができなければ、テレビもプールも使わせない。ショッピングモールにも連れて行かないと。

モズラー氏は自分の名刺でしか払えない「税金」を子供たちに課したのだ。

それから間も無く、子供たちは、寝室、台所、庭の掃除に走り回っていた。

それまで、子供たちにとっては価値のない名刺が、突然価値のある金券と見られるようになった。

つまり、モズラー氏の政府としての立場によって提供された、ただの紙切れである名刺が、通貨として働いた。

子供たちである、国民は、モズラー氏の家と言う国に住み続けるためには、名刺、つまり、通貨を稼がなければならない。

そのためには、モズラー氏が必要とする家事、すなわち、国家にとって必要なものを、子供たちである国民は生産することになる。

そして、その家事(生産)の代償で得た名刺(通貨)の一部を税金として、モズラー氏(国家)に納めるのです。


The Deficit Myth | Stephanie Kelton Audio

https://youtu.be/lNQVfL2Hr1U



50:00 Mosler

54:38 business cards money

https://youtu.be/lNQVfL2Hr1U?t=54m38s


~~~~~



Mosler had a beautiful beachfront property with a swimming pool and all the luxuries of life anyone could hope to enjoy. 


He also had a family that included two young kids. 

モズラーは海辺にプール付きの豪邸を構えていた。そこでは二人の子供も暮らしていた。

To illustrate his point, he told me a story about the time he sat his kids down and told them he wanted them to do their part to help keep the place clean and habitable. 

あるとき家を清潔で心地よく暮らせる状態に保つため、子供たちに協力を求めたという。

He wanted the yard mowed, beds made, dishes done, cars washed, and so on. 

庭の芝生を刈り、ベッドを整え、食器を洗い、車を洗うなどの手伝いをしてほしい。

To compensate them for their time, he offered to pay them for their labor. 

貴重な時間を費やしてくれたら、お返しに報酬を払うよ。

Three of his business cards if they made their beds. 

自分のベッドを整えたら、パパの名刺を三枚あげよう。

Five for doing the dishes. 

皿を洗ったら五枚。

Ten for washing a car and twenty-five for tending to the yard work. 

洗車は一〇枚、庭仕事を担当したら二五枚。

Days turned into weeks, and the house became increasingly uninhabitable. 

それから数日、さらには数週間が経つうちに、家はとても住めない状態になっていった。

The grass grew knee high. 

芝生は膝の高さまで伸びた。

Dishes piled up in the sink, and the cars were covered in sand and salt from the ocean breeze.

台所のシンクには汚れた食器が積み上がり、車は海風が運んでくる砂や塩にまみれた。

 “Why aren’t you doing any work?” Mosler asked the kids.「おまえたち、なぜ何も仕事をしないんだ」とモズラーは子供たちに尋ねた。

 “I told you I would pay you some of my business cards to pitch in around here.” “D-a-a-a-a-ad,” the kids intoned.

「手伝ってくれたらパパの名刺をあげると言ったのに」。子供たちは呆れたように答えた。

 “Why would we work for your business cards? They’re not worth anything!”「ねえ、パパ。なんでパパの名刺をもらうために働かなきゃいけないわけ? なんの価値もないのに」

 That’s when Mosler had his epiphany. 

  このときモズラーははたと気づいた。

The kids hadn’t done any chores because they didn’t need his cards. 

子供たちが一切手伝いをしないのは、名刺を必要としないからだ。

So, he told the kids he wasn’t requiring them to do any work at all. 

そこでモズラーは子供たちにこう言った。君たちに手伝いは一切求めない。

All he wanted was a payment of thirty of his business cards, each month. 

ただ毎月、パパの名刺三〇枚を払ってほしい。

Failure to pay would result in a loss of privileges. 

それができなければ、いろいろな特典を取り上げる。

No more TV, use of the swimming pool, or trips to the mall. 

テレビもプールも使わせない。ショッピングモールにも連れていかない。

It was a stroke of genius. 

天才的なひらめきだった。

Mosler had imposed a “tax” that could only be paid using his own monogrammed paper.

モズラーは自分の名刺でしか払えない「税金」を子供たちに課したのだ。

Now the cards were worth something. 

ようやく名刺に価値が生まれた。 

 Within hours, the kids were scurrying around, tidying up their bedrooms, the kitchen, and the yard.

それから数時間も経たないうちに、子供たちは寝室、台所、庭の掃除に走り回っていた。

What was once considered a worthless rectangular calling card was suddenly perceived as a valuable token. 

 それまで価値のない長方形のカードに過ぎなかったものが、突然価値のある金券と見られるようになった。

But why? 

なぜなのか。

How did Mosler get the kids to do all that work without forcing them to do any chores?

モズラーはどうやって一切強制することなく、子供たちにさまざまな家事をやらせることに成功したのか。

Simple. 

簡単だ。

He put them in a situation where they needed to earn his “currency” to stay out of trouble. 

Each time the kids did some work, they got a receipt (some business cards) for the task they had performed. 

穏やかに暮らしていくためにはモズラーの「通貨」を稼がざるを得ない状況に追い込んだのだ。子供たちは何か仕事をするたびに、その労働への対価(名刺数枚)を受け取った。

At the end of the month, the kids returned the cards to their father. 

As Mosler explained, 

月末になると、名刺を父親に返した。本当は子供たちから名刺を回収する必要はなかった、とモズラーは説明する。

he didn’t actually need to collect his own cards back from the kids. “What would I want with my own tokens?” he asked. 

「自分が発行した金券を回収したって、仕方ないだろう?」。

He had already gotten what he really wanted out of the deal—a tidy house! 

すでにこの取引で欲しいものは手に入れていた。きちんと片付いた居心地のよい自宅である。

So why did he bother taxing the cards away from the kids? Why didn’t he let them hold on to them as souvenirs?

それならなぜ、わざわざ名刺を税金として子供たちから取り上げたのか。なぜ記念品としてあげなかったのか。

The reason was simple: 

理由は単純だ。

Mosler collected the cards so the kids would need to earn them again next month. 

子供たちを翌月また名刺を稼がなければならない状況に置くためだ。

He had invented a virtuous provisioning system! 

Virtuous in this case means that it keeps repeating.

こうして必要なサービスが提供され続ける好循環が生まれた。

~~~

Mosler used this story to illustrate some basic principles about the way sovereign currency issuers actually fund themselves. 


ケルトンへの反応
https://nam-students.blogspot.com/2019/05/blog-post_7.html


https://slowslow67.blogspot.com/2022/06/blog-post_36.html


ケルトン 2020#1

 国民にそういう仕事をさせるために、政府は税金、手数料、罰金などさまざまな負担を課す。税金は通貨への需要を生み出すためにある。税金を払うには、それに先立って通貨を稼ぐために働く必要がある。

 モズラーは海辺にプール付きの豪邸を構えていた。そこでは二人の子供も暮らしていた。あるとき家を清潔で心地よく暮らせる状態に保つため、子供たちに協力を求めたという。庭の芝生を刈り、ベッドを整え、食器を洗い、車を洗うなどの手伝いをしてほしい。貴重な時間を費やしてくれたら、お返しに報酬を払うよ。自分のベッドを整えたら、パパの名刺を三枚あげよう。皿を洗ったら五枚。洗車は一〇枚、庭仕事を担当したら二五枚。それから数日、さらには数週間が経つうちに、家はとても住めない状態になっていった。芝生は膝の高さまで伸びた。台所のシンクには汚れた食器が積み上がり、車は海風が運んでくる砂や塩にまみれた。「おまえたち、なぜ何も仕事をしないんだ」とモズラーは子供たちに尋ねた。「手伝ってくれたらパパの名刺をあげると言ったのに」。子供たちは呆れたように答えた。「ねえ、パパ。なんでパパの名刺をもらうために働かなきゃいけないわけ? なんの価値もないのに」
  このときモズラーははたと気づいた。子供たちが一切手伝いをしないのは、名刺を必要としないからだ。そこでモズラーは子供たちにこう言った。君たちに手伝いは一切求めない。ただ毎月、パパの名刺三〇枚を払ってほしい。それができなければ、いろいろな特典を取り上げる。テレビもプールも使わせない。ショッピングモールにも連れていかない。天才的なひらめきだった。モズラーは自分の名刺でしか払えない「税金」を子供たちに課したのだ。ようやく名刺に価値が生まれた。 

 それから数時間も経たないうちに、子供たちは寝室、台所、庭の掃除に走り回っていた。それまで価値のない長方形のカードに過ぎなかったものが、突然価値のある金券と見られるようになった。なぜなのか。モズラーはどうやって一切強制することなく、子供たちにさまざまな家事をやらせることに成功したのか。簡単だ。穏やかに暮らしていくためにはモズラーの「通貨」を稼がざるを得ない状況に追い込んだのだ。子供たちは何か仕事をするたびに、その労働への対価(名刺数枚)を受け取った。月末になると、名刺を父親に返した。本当は子供たちから名刺を回収する必要はなかった、とモズラーは説明する。「自分が発行した金券を回収したって、仕方ないだろう?」。すでにこの取引で欲しいものは手に入れていた。きちんと片付いた居心地のよい自宅である。それならなぜ、わざわざ名刺を税金として子供たちから取り上げたのか。なぜ記念品としてあげなかったのか。理由は単純だ。子供たちを翌月また名刺を稼がなければならない状況に置くためだ。こうして必要なサービスが提供され続ける好循環が生まれた。
54:47

モズラーの名刺のミカタ | Traumhaus.Tokyo
https://traumhaus.tokyo/2019/11/13/%E3%83%A2%E3%82%BA%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%81%AE%E5%90%8D%E5%88%BA%E3%81%AE%E3%83%9F%E3%82%AB%E3%82%BF/


MMTの提唱者として著名なステファニー・ケルトン教授。

彼女が政府の会計や貨幣というモノを理解し易い様に、例え話として挙げるのが「モズラーの名刺(クーポン)」という話です。これはファンドマネージャーのウォーレン・モズラーという方が作った例え話です。

今日は知らない方の為に、より理解し易い様にアレンジして御紹介してみたいと思います。

1話:貨幣と徴税

ある所に大富豪の一家が居ました。その家は子沢山でしたが、彼等は家の手伝いもせずに遊んでばかり。見兼ねた母親は一計を案じます。

「聞きなさい!新しいルールを決めるわ。家の手伝いをすれば、それに見合った枚数の私の名刺をあげる。どんな手伝いでも良いわよ。」

すると子供達は「名刺なんて要らないよ。だから手伝いはしない。」と言いました。

「では毎月末名刺を10枚だけ私に返しなさい。もし10枚返せなければ屋敷から出て行って貰うわよ!」

そうすると子供達は手伝いをする様になりました。掃除をして3枚、皿洗いで2枚、犬の散歩で1枚、肩を叩いて2枚、てな感じです。

月末になり子供達は10枚ずつ母親に名刺を返しました。

解釈:何の価値も無かった名刺が「税の決済手段」となった事で貨幣としての価値を裏付けられた。また親(政府)の支出が先で、それを原資に子供(国民)の支出(納税)が行われる。

2話:格差と規模

数ヶ月経つと名刺を溜め込む子供が出てきました。手伝いをしまくったり、たまたま母親の機嫌が良く大盤振る舞いされたり、或いはコッソリ盗んだのかもしれません。当然その煽りを食って、手伝いをしたくても出来なかったり、報酬が少なくなった子供が現れます。月末、10枚に届かなかった子供は「溜め込んだ子供」から名刺を借り母親に渡しました。名刺を借りた子供は翌月「溜め込んだ子供」に利息分の名刺をつけて返します。

そのうちに「利息だけで毎月10枚支払える子供」が現れます。その一方で「10枚+利息で苦しむ子供」が多数出てきます。しかし手伝いの総量は変わらない為、格差は縮みません。子供達は名刺を手に入れる為に、おやつと交換まで始めました。

そこで母親は屋敷を2倍に増築し、手伝いの総量を増やしました。すると徐々に格差は緩和されました。

解釈:市場原理に委ねれば格差は当然拡がる。しかし行き過ぎれば全体の安定性や幸福の総和は減少する。名刺需要の増加に対応する為に、親(政府)は供給を増加し易くさせる事でバランスを取る事が可能。これは経済規模の拡大、GDPの増加でもある。

3話:税と社会保障

屋敷が大きくなり手伝いは沢山あります。子供達は次第に名刺を溜め込み、余裕があるので誰も手伝いをしない月というのも出てきました。そこで母親は「今月から20枚名刺を返して貰う!」と宣言しました。するとまた子供達は手伝いを始めました。

ある日、子供の一人が病気になり1ヶ月手伝いが出来ませんでした。他の子供達もその子の看病をしたので、いつも程の名刺を集める事が出来ませんでした。母親は病気の子供には20枚を免除し、他の子供は10枚に減免しました。

解釈:親(政府)は名刺余りの状況では税の調節によって経済活動に刺激を与える事もできる。そして国民の置かれた状況に合わせた「徴税や社会保障」の在り方を構築する事も可能。

4話:自国通貨建国債と統合政府

ある日手伝いの対価を払おうとして、母親は名刺を切らしている事に気付きました。そこで「名刺を溜め込んでいる子供」に借用書を渡し、名刺を借りました。名刺はいつも父親が経営する印刷所でタダで製作していました。そこでその子供は借用書を父親に渡し、父親から名刺を返して貰いました。

解釈:借用書(国債)を渡し、子供が名刺を貸してくれたのは何故でしょう?それは「母親の名刺」を作るのが父親だからです。つまり母親に名刺を貸しても、父親がいくらでも印刷できる以上返して貰えないなど有り得ないからです。「母親:政府」で「父親:日銀」・・・「両親:統合政府」という事です。

この話で名刺を印刷するのが父親ではなく、別の会社に発注した場合というのは外貨建国債という事になります。

また統合政府を否定する方も時々いらっしゃいますが、日銀は特殊法人で株式の55%は政府が保有し、株主には議決権もなく、諸々の決定権は政府に有ります。その為、実質的子会社以外に言いようがありません。

それとこの話は、信用創造に関する部分が無い為、商品貨幣論的になっています。しかし全体像をボンヤリ理解するには必要十分でしょう。


●「ウォーレン・モスラーによる物語」(EJ第5197号): Electronic Journal
http://electronic-journal.seesaa.net/article/473812631.html

●「ウォーレン・モスラーによる物語」(EJ第5197号)

 MMT(現代貨幣理論)の主唱者の一人である、ニューヨーク
州立大のステファニー・ケルトン教授が来日し、2019年7月
16日、都内で講演を行っています。その講演会の冒頭において
ケルトン教授は「ある物語」を語っています。MMTを理解する
前提の話なので、これについて、『週刊現代』記者である小川匡
則氏の次のレポートに基づいて、要約してご紹介します。詳細に
ついては、小川匡則氏のレポートを読んでください。
─────────────────────────────
 MMT(現代貨幣理論)が日本経済を「大復活」させるかも
 しれない。         ──週刊現代記者/小川匡則
                 https://bit.ly/2wft54c
─────────────────────────────
 なお、ケルトン教授は、最初に「この物語は、ウォーレン・モ
スラーから聞いた話である」と断っています。ウォーレン・モス
ラーとは何者でしょうか。
 ウォーレン・モスラーは、金融の実務家です。ファンドマネー
ジャーをやっており、MMTをリードする理論家の一人です。モ
スラーについては、改めて取り上げます。
─────────────────────────────
 ウォーレンには2人の子供がいました。ウォーレンは子供たち
に対して家事を手伝うよう求め、その家事の内容に応じて、自分
の名刺を渡すことを告げたのです。皿洗いなら3枚、芝刈りをし
たら20枚というようにです。
 しかし、子供たちは全然家事を手伝おうとはしませんでした。
ウォーレンがその理由を子供たちに聞くと、「パパの名刺なんか
もらっても意味がない」といったのです。そこで、ウォーレンは
一計を案じ、「この美しい庭園のある家にこれからも住み続けた
いのであれば、月末に30枚の名刺を提出しなさい」と子供たち
に宣言したのです。
 そうしたら、急に子供たちは積極的に家事を手伝い、必死に名
刺を集めるようになったのです。──小川匡則氏のレポート要旨
─────────────────────────────
 「月末に30枚の名刺を出せ」と、子供たちに名刺での支払い
を義務化すると、突然名刺が価値を持つようになったのです。子
供たちは、名刺を集めて父親に支払わないと、家を追い出されて
しまうことを知ったからです。そして、ケルトン教授は、次のよ
うに物語を続けます。
─────────────────────────────
 子供たちが家事を手伝い始めたのは、名刺を集めないと自分た
ちが生きていけないことを認識したからです。そこでウォーレン
は気づきました。「近代的な貨幣制度ってこういうことなんだ」
と。つまり、もし彼が子供に国家における税金と同じものを強要
できるのであれば、この何の価値もない名刺に価値をもたらすこ
とができる。そうすると、彼らはその名刺を稼ごうと努力するよ
うになる、と。
 もちろん、ウォーレンは名刺を好きなだけ印刷することができ
る。しかし、子供たちに来月も手伝わせるために、名刺を回収す
ること(=提出を義務づけること)が必要だったのです。
               ──小川匡則氏のレポート要旨
─────────────────────────────
 ここで「名刺」とは貨幣であり、その「一定の数の名刺の提出
を義務づけること」は「税金の徴収」に当ります。そして、その
税金の徴収によって貨幣に価値を生じさせ、信用を担保すること
になるのです。そして、この物語から得られる教訓として、ケル
トン教授は、次のように述べています。
─────────────────────────────
 ウォーレンは名刺を回収する(課税する)前に、まず名刺(お
金)を使わなくてはならない。つまり、課税の前に支出が先にこ
なくてはならないのです。
 そのことを政府に置き換えると、次のようになります。政府は
税収のために税を課し、それで財政支出をするのではなく、政府
が支出することが先です。その支出されるお金を発行できるのが
政府です。政府は好きなだけお金を発行でき、財政的に縛られる
ことはありません。もちろん、無制限にお金を発行してもいいと
いうわけではなく、その制約となるのは「インフレ」です。
               ──小川匡則氏のレポート要旨
─────────────────────────────
 ここでケルトン教授は、非常にわかりにくいことをいっていま
す。政府支出をする財源は、税収ではなく、国債の発行で得られ
た資金であるという点です。そして、国民が税金を支払うのは、
「納税の義務がある」からであり、「インフレの調整機能を果す
ため」であるといいます。
 常識的には政府支出は税収によって行われ、本来できる限り税
収の範囲内で行われるべきものだが、それが不可能であるときは
手続きを踏んで赤字国債を発行し、それで政府支出を賄うことに
なります。日本の場合、これが長く続いているので、財政赤字が
拡大し、そのGDP対比が200%を超えてしまったわけです。
 ところが、ケルトン教授がいうのは、財政赤字を何ら気にする
ことなく、政府支出は国債の発行によって政府支出を行うべきで
あるとしています。もちろん無制限にそれができるわけではなく
歯止めになるのはインフレであるというのです。ケルトン教授は
次のように力説しています。
─────────────────────────────
 政府にとって財政が制約になるわけではない。何が制約になる
かというと「インフレ」です。インフレは最も注目すべきリスク
です。貨幣量は使えるリソースによって供給量が決まります。も
し、支出が需要を上回ればインフレになる。それはまさに気にす
るべき正当な制約なのです。  ──小川匡則氏のレポート要旨
─────────────────────────────
           ──[消費税は廃止できるか/038]

≪画像および関連情報≫
 ●MMT提唱の米教授講演 「消費増税 適切でない」「財政
  赤字脅威ではない」/ステファニー・ケルトン教授
  ───────────────────────────
   自国通貨建てで借金する国は赤字が増えても破綻しないと
  主張する「MMT(現代貨幣理論)」の代表的な論者の一人
  であるニューヨーク州立大のステファニー・ケルトン教授が
  2019年7月16日、国会内で講演し、「政府の財政赤字
  は悪でも脅威でもない」と話した。(生島章弘)
   ケルトン氏は民間団体の招きで来日した。MMTの考え方
  では、自国通貨を持つ国では政府は紙幣をいくらでも刷るこ
  とができるため、財政破綻しないとされる。主流派の経済学
  者らからは異端視されている。ケルトン氏は国債発行によっ
  て生じる政府の財政赤字に関して「公的債務の大きさに惑わ
  されるべきではない。(社会保障や公共事業などで)財政支
  出を増やすことで雇用や所得は上昇する」と強調した。
   ただ、安倍政権の経済政策「アベノミクス」については、
  「あまりにも中央銀行に依存することは支持しない。民間に
  お金を借りる意欲がなければ金利引き下げは役に立たない」
  と述べ、金融政策より財政政策の比重を高めるべきだという
  考えを示した。また、日本政府が10月に予定する消費税率
  10%への引き上げについても「適切な政策ではない」と批
  判した。ケルトン氏は講演後の記者会見でも消費税増税に否
  定的な見解を重ねて表明。その上で「家計の支出こそ、経済
  のけん引力として最も重要だ」として、個人の所得を高める
  財政政策の重要性を訴えた。   https://bit.ly/2uDwgSU
  ───────────────────────────

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ステファニー・ケルトン教授


MMTの提唱者、ステファニー・ケルトン教授の講義を聴いてきました
https://kantan-beikokukabu.com/mmt-273#i-4


ウォーレン・モズラーの名刺(追記)

これは、ステファニー・ケルトン教授が講義の一番最初に話してくれたストーリーですが、今まで日本で紹介されていた話とは導入や説明の仕方がちょっと違っていました。

今回の記事のトリとして、ご紹介させて頂きます。

ウォーレン・モズラーはMMTの創始者のひとりです。

彼の家族はプール付きの優雅な家に住んでいます。

そんな優雅な家に住みながら、子供たちが手伝いをしないので、ある時こう持ちかけました。

「手伝いをしたらお父さんの名刺を渡そう。

皿洗いをしたら○枚、洗濯物を干したら○枚」

しかし、子どもたちに手伝いをする気配はありません。

「名刺をあげるって言っているのに、なんで君たちはお手伝いをしないんだ?」

「だって、名刺を貰っても何も買えないし」

言われてみればそうです。

そこで、ウォーレン・モズラーはこう持ちかけました。

「わかった。

じゃあ、これならどうだい?

このプール付きの素敵な家に住み続けるためには、お父さんに毎月30枚の名刺を渡さなければならない。

これが、新しいルールだ」

すると、子どもたちは、手伝いをして一生懸命にウォーレン・モズラーの名刺を集めはじめたのです。

このストーリーでは、MMTの重要な二つの原則が説明されています。

一つ目は、貨幣の強制力の源泉です。

このストーリーの場合は名刺ですが、その名刺を貨幣として認めさせるためには、ウォーレン・モズラーの家に住むために毎月30枚を徴収する義務を課す必要がありました。

これによって、子どもたちは手伝いをして名刺を稼ぐようになり、時には兄弟姉妹の間で取引もしているでしょう。

これが、貨幣の流通にあたります。

二つ目は、Spending Firstと言う概念です。

政府は最初に税金を徴収したり、お金を借りてから、その貨幣を使うのではありません。

まず、使う。

このストーリーの場合は、手伝った子供たちに名刺を渡してますね。

渡すのが先なんです。

だって、貨幣は国家が発行するのですから。

MMTに興味が無い人が聞いても「だから?」って内容なのですが、MMTを学んでいて今一つこれらの概念がなかなか入って来ない人にとっては、わかりやすいたとえ話だと思います。

僕も、このストーリーを聴いて、税が貨幣の使用を強制する力があることをはじめて実感したんですよね。




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