2022年8月3日水曜日

「LUPIN THE IIIRD 血煙の石川五ェ門」見た人のためのレビュー「用心棒の代償」 | ALOG

「LUPIN THE IIIRD 血煙の石川五ェ門」見た人のためのレビュー「用心棒の代償」 | ALOG

「LUPIN THE IIIRD 血煙の石川五ェ門」見た人のためのレビュー「用心棒の代償」

LUPIN THE IIIRD 血煙の石川五ェ門

僕らは、石川五ェ門のはじめての姿を目にすることになる。
血しぶきを上げ、返り血を浴びながら、躊躇なく人を斬り捨てていく彼の姿を。

またつまらぬものを斬ってしまった

という定番のセリフとともに、決して傷つけることなく相手を無力化させる五ェ門はここにはいない。
ここにいる彼は、「指一本動かすな。そうすれば命だけは助けてやる。」という警告に耳を貸さぬ相手を躊躇なく斬り捨てる。
あっという間に無力化される敵の姿はおなじみだが、払わされる代償は、片腕で済めば幸運だと言えるほど高くつく。
日本の伊豆で、Japanese ザ・ヤクザも絡んでくるという舞台設定は、剣の達人ではなく殺戮マシーンとしての五ェ門のバイオレンス性を際立たせる。

用心棒の代償

腕を買われ、ヤクザの大組長の用心棒になっていた五ェ門は、高価な羽織に装飾を施した鍔付きの斬鉄剣を手にしている。
謎の人物の指令によりルパン一味を抹殺しようとする「バミューダの亡霊」と呼ばれるホークと鉢合わせてしまったために、組長は殺されてしまう。
プロの用心棒としての誇りを傷つけられ、自慢の居合は片手で封じられる。
高価な身なりや装飾品では絶対に補えない、剣の腕そのものが彼の自尊心なのだ。
それをあっけなく奪われた彼は、トラウマで剣を抜くことさえできなくなってしまう。
斬っても「つまらない」だろう者ばかりに囲まれ、まあまあの暮らしを手に入れた彼が、その代償として失ったものはかけがえのないものだったのだ。

盗みのプロは、奪われたものにも敏感だ。
五ェ門が生命より大事なものを奪われた場面に立ち会ったルパンは、一切手助けすることなく見守り続ける。
協力すればホークを倒せる場面でも、いや、そうしなければ自らに危険が及ぶというのに、次元大介を制し、あくまで五ェ門の一騎討ちにこだわる。
勝算があったかどうかはわからない。
しかし、失ったものを取り戻すことなく、その対象者がいなくなってしまったならば、五ェ門がこの先、生き返ることがないという確信はあった。
事が終わって、おどけて伝えるルパンの言葉に、五ェ門は初めて、かすかに、しかし、しっかりと笑顔を見せる。

ルパンを追うことを断念したホークが残した言葉。
「いい用心棒を持ったな。」
そう、五ェ門は結果的にルパンの用心棒の役目を果たしたのだ。
これまで、なぜ、剣の達人が泥棒一味に加わったのかという疑問を持っていた。
彼は泥棒一味に加わったのではなく、ルパンの用心棒になったのだ。
失った自尊心を取り戻させてくれたルパンの寛容、それへの代償として用心棒を果たしていくことになるのだろう。
前作でも、こうしたルパンのふところの深さが、次元大介を単なるビジネスパートナーから仲間にしてしまったように…

長く続く人気シリーズの中でも全てが秀作であるとは限らない。 その中で、本当に優れた作品は一握りだ。 007では、ダニエル・ボンドのシリーズであり、バットマンではライアンのダークナイト三部作であり、そしてルパン三世では、「LUPIN the third ~峰不二子という女~」の流れをくむ本作がそれにあたるだろう。

情報源: 「LUPIN THE IIIRD 次元大介の墓標」見た人のためのレビュー「リブートモード」 | ALOG

謎の人物とマモー

今回、誰がホークにルパン一味殺害の指令を出したかは明らかになっていない。
極東の警官のささやかな行動にも機敏に目配りができ、その組織全体にしっかりと圧力をかけられる人物。
前作でチラッと登場したマモー本人なのか、あるいはそれにつながる誰かさんなのか。
ホークが一度死んだ人間であるのなら、そしてクローンであるのなら、ハワード・ロックウッドとは無縁というわけにはいかないだろうが…

情報源: 『LUPIN THE ⅢRD 血煙の石川五ェ門』小池健監督インタビュー ルパン史上かつてないリアリズムと残酷表現はどう生まれたのか? | SPICE – エンタメ特化型情報メディア スパイス

泥棒ルパンと峰不二子

本筋には全く関係ないけど、今回、ルパンはしっかりと泥棒をやっている。
現場では目立たぬよう黒ジャケットを羽織り、しっかりと盗み出した札束を積み上げて極上のモルトウィスキーでささやかな成功に泥酔する。

峰不二子は、少ない出番ながらキュートでカラフルだった。
珍しく誰も裏切らず、盗みもルパンを出し抜くことなく協力して山分け。
決して、悪女ではなかった。
しかし、男の誇りとやらにこだわるルパン達に、ついていけないわと姿を消す。
それは、世のご婦人方の行動としては、よくあることではあるけれど。

そういえば、このルパンは不二子ちゃーんとは決して呼ばない。
峰不二子と呼び捨てなんだよね。

次元のマグナムは?

このシリーズの次元大介の使うマグナムは、S&W M27に見えた。
しかし、今回アップになったものは、S&W M19だった。
本来の設定はそうなのだから、修正したってことなんだろうか?
S&W M27の方が銃としての信頼性は高いらしいから、そのままでもいいんじゃないかと思うけど。
それに、あの女が残したのはS&W M27だったはずだ。
アレとは違う銃だってことなのか…

ついついあれこれ言いたくなって細かい話になってしまった。
いずれにせよ、どんな形であれ、小池ルパンは継続させてほしいよねぇ。

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