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山本千尋『鎌倉殿の13人』暗殺者トウ役で思わぬ影響「料理で包丁を手にしたら母が怖がりました(笑)」
大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(NHK総合 毎週日曜 午後8時~8時45分)に、北条義時(小栗旬)に仕える刺客・トウ役で出演中の山本千尋さん。華麗なアクションとともに両親を失い、刺客として生きざるを得なかったその生きざまが大きな反響を呼んでいる。苛烈な権力争いの末に重要人物たちが次々に退場していく中、トウの物語はどんな形で締めくくられるのか。注目のラストに向けて、今回のインタビューでは山本さん自身の素顔にも迫りつつ、お話をお聞きしました。
◆大河ドラマにご出演されていることで、どのような反響を感じられていますか? 今までにない大きな反響を肌で感じています。善児(梶原善)の暗殺者ぶりが注目されていたことは知っていましたし、善児がいなくなった後、どうなるのかなと思っていたんです。そしたらトウのことを“二代目アサシン”と呼んでいただいて。愛着がないと出てこないワードですし、なんだか私のことも認めてもらえた気がして、光栄でした。 ◆両親を殺した善児は復讐の相手であると同時に育ての親でもあったわけですが、彼を討ったトウの心情をどうとらえて演じたのでしょうか? もともと三谷(幸喜)さんから、善児に復讐することだけは聞いていて。ただ、あそこに至るまでの過程を考えると、単なる復讐心だけじゃなかった気がするんです。10年近く一緒に暮らしていれば、いくら手練れの暗殺者でも、復讐できる機会はあったはずですし。でも手を出さなかったということは、踏み切れない思いがあったからじゃないかと。結局、ああいう形で復讐を果たすことになったんですけど、複雑な感情を抱いたまま、自分がどう生きたらいいか分からなくなって。そこから第45回(11月27日放送)で北条政子(小池栄子)に会ったことで、生きてていいんだよと背中を押してもらえた気がしました。 ◆アクションシーンで思い出深い出来事はありますか? Amazonオリジナルドラマ『誰かが、見ている』で三谷さんとご一緒したとき、私はアクションがまったくない役柄だったんですね。でも今回の作品で演武を披露するというような登場シーンを入れてくださったんです。またスタッフの皆さんも、回転技のとき砂煙が立つようにしたり、照明さんが刀に光を当てて、アップになるとキラキラするようにしてくれたり。そうした皆さんに注いで頂いた愛がありがたかったし、期待に応えるものを見せたいと思いました。 ◆三谷さんと初めて会ったのは、『誰かが、見ている』のときですか? 実はその前、上京して間もない頃に地下鉄の車内でお会いしてまして。テレビでよく見る方だったから、すぐに分かりました。その場で声を掛け合うことはなかったんですけど、三谷さんのほうも私のことをじーっと見ていて。『誰かが、見ている』でお会いしたとき、「電車で会ったんですけど覚えてますか?」って言われて、ドキッとしました(笑)。私が出演していた『ウルトラマンジード』(テレビ東京系)をお子様と見ていて、それで覚えてくださっていたみたいです。 ◆一緒に仕事をして、どんな方だと感じましたか? 『誰かが、見ている』は、三谷さんが脚本兼監督をされていたんですけど、シチュエーションコメディで、ワンテイクでの撮影だったんですね。本番前日は、リハーサル日が設けられていたんです。出演者は香取慎吾さんや佐藤二朗さん、宮澤エマさんと、ベテランの方ばかりで。君はたぶん心にも余裕がないだろうからって、三谷さんが毎回リハーサル前日にマンツーマンでリハーサルをしてくれていたんです。ありがたい時間を過ごさせてもらって、感謝しています。 ◆『鎌倉殿の13人』で善児を演じた梶原善さんも三谷作品おなじみの俳優さんですが、ご一緒していかがでしたか? 刺客としての善児を見ている方はちょっと怖い印象があるかもしれませんけど、実際の梶原さんは一緒にいるだけでほっとするような、めちゃくちゃいい人でした。撮影中はことあるごとに、いろいろ相談に乗ってくれて。私は結構、悩み癖があるんですけど、いつも「なんとかなるよ!」みたいな感じで吹き飛ばしてくれる、太陽のような方ですね。 ◆『鎌倉殿の13人』は、12月18日(日)の放送で最終回を迎えます。終着点に向けて、トウのどんなところに注目してほしいですか? トウの人生がどういう終わり方をするか、事前に聞いていて、それはそれで納得できるものではあったんですけど、善児とトウの最後のやりとりを見た三谷さんから、トウの終わり方を変えたというお話があって。詳しくは見てのお楽しみなんですけれども、それだけ1人ひとりのキャラクターに愛情を注いでいる三谷さんは素晴らしいと思ったし、その中の1人を演じることができてありがたいなと思いました。スタッフキャスト一同のいろんな思いを込めた最終回になるはずなので、ぜひ最後まで見守っていただきたいです。
山本千尋『鎌倉殿の13人』暗殺者トウ役で思わぬ影響「料理で包丁を手にしたら母が怖がりました(笑)」
◆直後の12月22日(木)からは、『今際の国のアリス』シーズン2がNetflixで配信となります。こちらでは、どんな役どころでしょうか? 主人公のアリス(山﨑賢人)と戦うスペードのクイーン・リサという役で、私史上最もヒールな役になります(笑)。この作品は映画「キングダム2 遥かなる大地へ」の佐藤信介監督で、アクションも同じ下村勇二さんのチームなんです。私は「キングダム2」のときアクションがあまりなかったから、念願のチームと思いっきりアクションができることにテンションが上がりました。私としては苦手なアクションのジャンルではあるんですけど、練習期間も半年間、設けていただいて。かなり挑戦的なことができたかなと思っています。 ◆山本さんは中国武術が特技ということで、役柄的にもりりしく強いキャラクターを演じることが多いですが、普段はどんな感じなんですか? 普段は決断力もないし、方向感覚もなくて…。運動なら何でも得意だと思われるんですけど、球技は苦手で、何より泳げないんです。だからトウは川に突き落とされたら一巻の終わりです(笑)。あと、機械も苦手。アナログ人間だから動画配信サービスの登録もまともにできなかったです(笑)。 ◆作品で山本さんのことを知った人からしたら意外な一面だろうなと思うことや、好きなことなどは何かありますか? 料理だと思います。たぶん、私が料理するって印象、あまりないと思いますし。先日、実家に帰ったとき包丁を手にしたら、母も「なんか嫌だ」って怖がったんです(笑)。親に役の印象を引きずられました(笑)。 ◆ちなみに得意料理は? 基本的には和食ですね。もともと料理を始めたのも、スポーツをやるからにはちゃんと自分の栄養管理をできなくちゃと思ったからなんです。なので、日本人の体だったら、やっぱり和食が一番合うだろうなということで、お野菜をメインにしたり、季節ものをいただくとか。そういうことは意識しながら作ってます。 ◆料理における、自分ならではのこだわりはありますか? 洋食の話になるんですけど、ワインを使うときは白ワインを使いますね。ドイツ産の白ワインは甘いものが多いから、よく使ってます。 ◆なるほど。スイーツはどうですか? やっぱり、和のスイーツが好きですね。おはぎや大福とか。『鎌倉殿の13人』の所作の先生がそういうのに詳しくて。撮影の合間にいろいろ教えていただくのが、ちょっとした癒やしの時間でした。 ◆多くの人が山本さんと言えばアクションのイメージがあると思いますが、実は自分の中でひそかにやってみたいなと思っている作品やジャンルはありますか? 20代のうちにラブコメを経験できたらうれしいですね。私の場合、恋人を殺す役とか来ちゃいそうですけど(笑)。あとは個人的な趣味で言ったら、ちょっと悲劇的な終わり方をする作品も好きで。映画だったら、「タイタニック」や「ラ・ラ・ランド」とか。 ◆レオナルド・ディカプリオがお好きなんですよね。 私の初恋です(笑)。中学生のときからずっと好きで、何年か前に来日したとき、思い切って試写会に行っちゃいました。あまりにも好き過ぎて、声も出なくて。人って本当に好きな人を目にすると、何もしゃべれなくなるんだなと知りました。もし転職するんだったら、ディカプリオのマネージャーになりたいです(笑)。 <PROFILE> 山本千尋 ●やまもと・ちひろ…1996年8月29日生まれ。兵庫県出身。O型。出演作にドラマ『テッパチ!』『未来への10カウント』『着飾る恋には理由があって』『誰かが、見ている』、映画「キングダム2 遥かなる大地へ」など。『今際の国のアリス』シーズン2がNetflixで12月22日(木)独占配信開始。 ●text/小山智久
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